
話し相手はイヌとネコ?ペットが心を元気にする力
麻布大学獣医学部の研究チームが高校生・大学生を対象にした調査で、社会的に孤立していると感じながらも心の健康が良好な人は、イヌやネコと深い絆を築いている傾向があることを明らかにした。心理学の国際学術誌『Frontiers in Psychology』に11日付けで掲載された。
思春期の心の健康は、その後の人生にも大きな影響を与える。特に社会や文化との価値観の不一致を経験すると生きづらさを感じやすいとされてきた。しかし、ペットとの関係が心の支えになる可能性があることも指摘されており、特にイヌやネコとの絆が人間関係の代わりになるのではないかと考えられてきた。このような背景から、研究チームはペットとの関係が心の健康に与える影響を詳しく調べた。
その結果、社会的に孤立していると感じているにもかかわらず、心の健康が良好な人々は、イヌやネコに対して強い愛着を持ち、まるで親しい友人のように心の内を打ち明けていることが分かった。これは、ペットとの関係が人間関係の代わりとなり、心の支えになっていることを示している。
今後、ペットとの関係がどのように心の健康を支えるのか、さらに詳しいメカニズムの解明が期待される。また、ペットとの関係を通じて、社会的な孤立感を和らげる方法を見つけることができれば、多くの人々の心の健康を支える手助けになることだろう。
画像提供:麻布大学