東京都がリンゴ病流行を警報 うがい、手洗いを励行

東京都は6月25日、リンゴ病(伝染性紅斑)が流行し、6月15~21日の1週間における患者報告数が都の警報基準を超えたと発表した。

リンゴ病は年によって発生に差がみられる疾患だが、昨年秋より過去5年平均を大きく上回る状況が続いている。6月15~21日の保健所別の患者報告数において警報開始基準の1週間当たり2.0人を超えたのは31保健所中8保健所で、その管内人口の合計が東京都全体の33.3%になって都の警報基準の30%を超えた。

リンゴ病は「パルボウイルスB19」による感染症。皮膚の発疹を主症状とし、両頬がリンゴのように赤くなる。発疹は1週間程度で消失するが、発疹が淡く他の疾患との区別が難しいこともある。発疹が出現する7~10日前に、微熱や風邪のような症状がみられることが多く、この時期にウイルスの排出が最も多くなる。患者報告は小学校入学前後の小児のものが多いが、成人の発症もある。

感染経路は患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスを吸い込むことによる飛まつ感染と、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる接触感染がある。また、妊娠中、特に妊娠初期に感染した場合、まれに胎児の異常や流産が生じることがあるという。

東京都は手洗い、うがいの励行とともに、妊娠中あるいは妊娠の可能性がある女性は、できるだけ患者との接触を避けるよう注意を呼びかけている。