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ドイツを襲うバター・インフレ「7つの理由」とは?

ドイツを襲うバター・インフレ「7つの理由」とは?

ドイツで今、バターの価格が上昇している。過去3年間、「乳製品の価格が安すぎる」と言われてきたドイツで今、何が起こっているのか? 6日付のシュピーゲル・オンライン版が報じた。

ドイツのインフレ率は昨年比で1.8%。8月には食料品の値段が軒並み上昇した。中でも値上がりが顕著だったのが乳製品、その中でも特にバターだ。9月初旬現在、ディスカウントスーパー「アルディ」の店頭にあるバターの価格は250gが1.99ユーロ(約259円)。同じ商品が7月の時点では1.79ユーロ(約233円)、4月では1.19ユーロ(約155円)だった。この値上げを受けて町のパン屋も、バターを挟んだサンドイッチや、バターを大量に使う菓子パン類を値上げ。欧州随一のパン好き国民であり、なおかつパンにバターをたっぷり塗るドイツ人の生活が今、バター・インフレの脅威にさらされている。

シュピーゲル誌は、バター価格高騰の理由を以下のように分析している。

(1)生産量の減少:2015年にEUが乳製品の生産量増加を決定したことから、乳製品全体の価格が下落。一時期バターの価格は250gが70セント(約91円)にまで落ち込み、これを受けて各地で酪農家のデモが起きた。こういった経緯を経て、乳製品の生産量が減少した。
 
(2)牛乳における乳脂肪分の減少:多くの酪農家がコスト削減のため、乳牛の飼料に金をかけられなくなった。飼料の質が落ちたことで、牛乳の乳脂肪分が減るようになった。

(3)天気:炎暑が続くと乳牛の搾乳量が減少する。また、降雨量が減ると家畜の飼料の収穫も減り、家畜を養うことが困難になる。

(4)需要の増加:世界的にバターの需要が増加している。長年バターの大量消費は体に悪いと言われていたが、最近この説を覆す研究発表がされたこともあって、バターの消費量が伸びている。

(5)中国:中国での乳製品輸入量が大きく増加。これが乳製品全体の値段を押し上げる要因となっている。

(6)変動しやすい卸価格:チーズやヨーグルトなど他の乳製品はドイツ国内で、卸価格が6カ月~1年間は固定される。一方、バターはこの期間が1~3カ月。このため、バターの価格は短期間で変動しやすい。

(7)在庫が品薄:バター生産量の減少と需要の増加のバランスが崩れ、在庫が品薄という事態が起きている。

こういった事態を踏まえて、バター価格高騰はしばらく続くと見られている。ちなみに、ドイツ人1人のバター消費量は1年間で6kg。現在の価格だと、年間48ユーロ(6242円)をバターに出費する計算になる。

*9月7日付レートで換算
1ユーロ=130.04円

参考記事
酪農家が死活問題 ドイツで「牛乳サミット」(2016/05/28)

 
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