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おいしさは長年の努力の証し かごしま黒豚

かごしま黒豚、美味しさの秘密は「長年の努力」にアリ

鹿児島といえば、10月にも噴火があった桜島や世界自然遺産に登録されている屋久島といった大自然を思い浮かべるだろうか。食べ物なら桜島大根やサツマイモなども有名だが、しかし、もう一つ忘れてはいけないのが、鹿児島県が全国1位の飼育頭数を誇る「黒豚」だ。黒豚は現在「かごしま黒豚」というブランドで販売され、全国各地のスーパーなどの店頭に並んでいる。

鹿児島の養豚の歴史は江戸時代までさかのぼる。幕末から明治時代にかけて、その存在が全国的に知られるようになったという。おいしさを追及するために、かごしま黒豚は明治期から数々の改良を重ねており、現在も鹿児島県農業開発総合センター畜産試験場を中心に研究が進められている。1991年に肉質が優れているイギリスバークシャー種との交配で新品種「ニューサツマ」が誕生し、2001年には鹿児島在来の黒豚の実を基礎とした「サツマ2001」、2015年には「クロサツマ2015」が誕生。現在はこの3系統豚を交配した系統間雑種と在来黒豚との交配が進んでいる。また、黒豚の飼料にカンショ(サツマイモ)を与えることで肉質が向上することや、赤肉中に抗酸化作用のあるビタミンEが増加することも判明している。かごしま黒豚は、鹿児島の特産品であるサツマイモに支えられているのだ。

そんな、かごしま黒豚の特徴は、肉の繊維が細く歯切れがよいことだ。うまみ成分の含有量が高く、さっぱりしているが脂肪部分にも十分なうまみがあることも特徴の一つだという。

かごしま黒豚は、産地や生産者、流通経路も明確化されていて、消費者が安心して食べることができるようになっている。また、かごしま黒豚であるという証明書やシールも発行されているので、購入の際にはそれを目印に。