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船舶自動運転化へ パイオニアと東京海洋大学が共同研究を開始

船舶自動運転化へ パイオニアと東京海洋大学が共同研究を開始

パイオニアと東京海洋大学は20日、3D-LiDARセンサーを活用した船舶の自動運転に関する共同研究契約を締結したと発表した。将来の自動運航船の実用化に向けて、船舶における3D-LiDARセンサーを用いた自船位置推定技術、周辺環境認識技術の確立と検証を行う。

「LiDAR(ライダー)」は「Light Detection and Ranging」の略語。光を使って物体を検知し距離を測るもので、レーザー光を使ったレーダーのこと。「3D-LiDAR」は対象物との正確な距離を測定し、遠方や周辺の状況をリアルタイムかつ立体的に把握できるため、自動車のレベル3以上の自動運転の実現に不可欠なキーデバイスと言われている。

今回の共同研究では、パイオニアは同社製の3D-LiDARセンサーでのデータ収集および自船位置推定、周辺環境認識アルゴリズムの開発を行う。東京海洋大学は、研究開発を実施するための船舶実験環境の提供や、船舶運航に関する知見に基づく自船位置推定、周辺環境認識アルゴリズムの検証を行う。

世界各地で自動車の自動運転に関する技術開発が行われているが、地球上の7割を占める水上での移動手段である船舶についても、自動化の取り組みと国際基準の整備が進められている。近年、海運業界では海運従事者の減少および高齢化が課題となっており、また世界で発生している海難事故の6割以上が人為的要因と言われている。船舶の自動化は人為的要因による海難事故の抑止とともに、海運事業における労働環境の改善、生産性向上にも大きく貢献すると期待されている。

画像提供:パイオニア
 

参考記事
パイオニア、自動運転シャトルバスの実証実験をシンガポールで開始(2018/11/10)
自動運転向け次世代センサー パイオニアより提供開始(2018/09/30)