多摩動物園生まれのトキ4羽が佐渡へ移動

多摩動物園生まれのトキ4羽が佐渡へ移動 

東京都は16日、多摩動物公園で2020年に誕生したトキの幼鳥4羽と親鳥2羽の合計6羽を佐渡トキ保護センターに移動すると発表した。これは環境省が進めるトキ保護増殖事業に基づくもの。同園は2007年よりトキの飼育を始め、13年連続で繁殖に成功している。佐渡トキ保護センターへ移動する幼鳥4羽は今後の放鳥計画に組み込まれる予定だ。

トキ保護増殖計画では鳥インフルエンザなどの感染症による絶滅の危機の回避などを目的に分散飼育をしている。佐渡トキ保護センターおよび同野生復帰ステーションと全国5つの分散飼育地を合わせて、今年の繁殖期は国内で38羽(7月21日現在)のトキが育っている。

トキはペリカン目トキ科。環境省レッドリストで絶滅危惧IA類(CR)に属し、国の特別記念物で国際保護鳥。野生のトキは20世紀初頭には東アジア一帯に広く分布していたが、乱獲と生息環境の悪化により中国を除き一旦絶滅した。その後の保護活動や野生復帰の取組により現在は中国陝西省の洋県と寧陝県付近、韓国南東部、および新潟県佐渡付近のみに野生のトキが生息している。

画像提供:東京都
 

トキのヒナ4羽が成長 多摩動物公園