東京大学、産官学共同の量子コンピュータ実用化のための協議会設立

世界最軽量・最薄の皮膚貼り付け電極で1週間の心電計測に成功、東大

東京大学は17日、同学大学院工学系研究科の横田知之准教授、染谷隆夫教授らの研究チームが、世界最軽量・最薄の皮膚貼り付け電極を開発し、皮膚に1週間電極を貼り付けて心電図を計測することに成功したと発表した。

この研究は13日(米国時間)に米国科学誌「アメリカ科学アカデミー紀要」のオンライン版で公開された。

近年、ウェアラブルデバイスのような新技術による生体情報の取得とその活用への期待が高まっている。特に皮膚に密着することでより高精度な生体信号を計測できるため、軽量で伸縮性の高い素材を用いたデバイスが開発されてきた。デバイスを薄膜化すると、装着時の負荷を減らし、また気体の透過性が増加して皮膚の炎症やかぶれ防止にも効果がある。しかし、超薄型でありながら伸縮性と機械的耐久性を両立することに困難があった。

今回の研究では電極の基盤として、極薄性、高耐久性、高粘着性、通気性を兼ね備えた伸縮性ナノシートを用いた。このナノシートの特徴の一つは100nm以下と薄く、高い水蒸気透過性(1日当たり14.6kg/m2)を持つ点だ。そのため皮膚に貼り付けても本来の皮膚呼吸が可能であり、汗による炎症反応やむれを起こさない。また、糊や粘着性ゲルなどの粘着剤を用いずにシートの物理的な吸引力だけで皮膚に貼り付けることができるため、皮膚への負荷が少なく、さらに数層のポリウレタンナノファイバーで強化することで高い機械特性も有している。

このナノシートの上に薄膜金を形成することで、装着時の負担を低減しつつ、長期にわたって生体情報取得可能な電極を実現した。従来のゲル電極は乾燥すると貼り付けた直後と同等の信号計測ができなかったが、今回開発した電極は乾燥とは無関係に長時間皮膚に貼り付けて生体情報を取得することができるようになった。

今回の研究成果により、日常生活の自然な活動における健康状態を長期間計測することができるようになり、医療・ヘルスケア分野において、病気や体調不良を早期発見するためのウェアラブルデバイスとしての応用が期待できる。

 

皮膚に貼り付けた伸縮性ナノシート(左)と拡大図(右)。ポリウレタンナノファイバーによってジメチルポリシロキサン(シリコーンゴム)を補強している。
皮膚に貼り付けた伸縮性ナノシート(左)と拡大図(右)。

画像提供:東京大学(冒頭の写真はイメージ)

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