環境変動を精密観測 南極地域観測6カ年計画

文部科学省は9日、2016~21年度の南極地域で行う観測についての第9期6カ年計画の内容を発表した。この計画は、温暖化などの環境変動を精密観測により定量的に把握し、さらに地球規模の気候変動について解明しようとするもの。

重点研究観測の第一は、2010~15年の第8期に設置し運用開始した大型大気レーダーで、南極の大気を精密観測すること。その通年観測を中心に、極地に固有の大気物理現象を探り、極地大気が地球システムに与える影響の解明を目指す。

第二は、氷床・海氷の周辺の総合観測から、極地特有の大気-氷床-海氷-海洋の相互作用を理解すること。南極の東沿岸において、緊急の課題となっている棚氷の融解や、海氷の変動を観測して、海洋の生態系の変動までの関連を解明する。

第三は、南極の古環境の復元。78万年前に起こった地磁気の逆転現象の解明のために、その記録が残されている地下3000mより深くの氷の層を掘削する。また内陸の山地や沿岸での地形の地質調査によって、大陸氷床の変動史を復元し、さらには陸上生態系の変遷までを復元する。

これらのテーマ推進に当たっては、諸外国との国際的に連携し、国民に対して成果や活動の情報発信も行い、教育現場との連携や若手研究者の育成も推進するとしている。

(写真はイメージ)