花便り~ヤマボウシ

 白い花が可愛いらしいヤマボウシ。

 5月中旬~6月中旬頃、山野で枝いっぱいに咲く白い花が特徴的だ。白い花びらに見えるが、実は総苞片(そうほうへん)とよばれる葉であって、実際の花は4枚の総苞片の中心にある小さな緑の部分。花を見るとハナミズキにとてもよく似ているのは、この二つが近縁種だからだ。違いは、ヤマボウシは葉が先に出てその上に花が咲くのに対して、ハナミズキは葉が出るより先に花が咲く。またハナミズキは苞の先が丸みを帯びているが、ヤマボウシは先がとがっている。花の咲く時期も異なり、ハナミズキは4月下旬~5月下旬でヤマボウシよりも早い。花の見た目だけでは区別がつかなくても、花の時期でどちらなのか分かるのも面白い。またヤマボウシは9月頃に赤く熟した果実をつける。この実は食べることもできるため、秋には別の楽しみ方もできる。

 山の緑に白い花が映えるその姿は、新婦が手にするウエディング・ブーケのようだ。

花言葉:友情
ヤマボウシ(山法師、山帽子):ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉高木。

花便り~ヤマボウシ