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【ノーベル賞2017】重力波初観測の米3氏に物理学賞

スウェーデン王立科学アカデミーは3日、2017年のノーベル物理学賞を、米カリフォルニア工科大学名誉教授のキップ・ソーン氏とバリー・バリッシュ氏、米マサチューセッツ工科大学名誉教授のレイナー・ワイス氏に授与すると発表した。受賞理由は「大型レーザー干渉計を用いた重力波の初観測による天文学への貢献」だった。

重力波とは、非常に大きな質量を持った物体が動いたときに周囲の時間と空間に生じたゆがみが波として伝わるもの。アインシュタインが1916年に一般相対性理論で予言したその重力波を、2015年9月14日に初観測したのが、3氏が創設したレーザー干渉計重力波検出器「LIGO(ライゴ)」だった。

LIGOは一辺4kmのL字型をしており、ワシントン州とルイジアナ州の2カ所に設置された施設を一対として運用している。その感度は、地球から太陽までの間で、空間が水素原子1つ分ひずんだ場合に、それ以下の小さなひずみをも観測できるほどだという。LIGOによって観測された信号波形は一般相対性理論から予測される波形とぴったり同じものだった。

重力波は光や電波よりも浸透力が大きく、ブラックホールやビッグバンも重力波の検出によって観測が可能になるのではないかと期待されている。

2015年のノーベル物理学者受賞者であり重力波検出器KAGRAプロジェクトの代表である梶田隆章氏は、3氏の業績により「21世紀はまぎれもなく重力波天文学の創成と発展の世紀となります。LIGOを企画立案し、その実現に尽くされてきた受賞者の先生方の卓越した先導力と叡智、そして無尽蔵のご気力に感服いたします」と祝意を表明した。

(写真はイメージ)

参考記事
米LIGO、重力波の検出2例目 ブラックホール合体で(2016/06/18)
重力波、米で初めて直接観測成功 初期宇宙の観測も可能に(2016/02/13)

 
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