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意外と知らないパラリンピック 知っておきたい基本知識

意外と知らないパラリンピック 知っておきたい基本知識【ニュースのコトバ解説】

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催まで残り1000日を切りました。この東京大会招致をきっかけに、「オリ・パラ」という略称が浸透し始めています。今でこそ高い認知度を得るようになったパラリンピックですが、これはいったいどのように始まったのでしょうか? そして「パラリンピック」という名称が初めて使われたのが、実は日本でだったというのはご存知でしょうか?

 

パラリンピックとは

障害のあるトップアスリートが出場する国際競技大会のこと。夏季大会、冬季大会があり、4年に一度、原則としてオリンピックと同じ都市・会場で開催されます。

実は「パラリンピック」という名称は1964年の東京大会の際に使われるようになりました。もともと下半身不随の障害者による大会を原点としていたことから、「paraplegia(下半身不随)」と「Olympic(オリンピック)」の造語としてこの名前が生まれました。1988年のソウル大会からはこれを、正式な名称として国際オリンピック委員会(IOC)が承認。半身不随以外の障害者も大会に出場するようになったことから今では、「parallel(平行)」と「Olympic」を組み合わせた「もう一つのオリンピック」という意味で用いられるようになっています。

 

パラリンピックの始まり

1948年にロンドン五輪に合わせて医師のルードウィヒ・グットマン氏が、車いすの障害者によるアーチェリー大会を英国ストーク・マンデビルで開催したことがパラリンピックの起源になっています。グットマン氏は、第2次世界大戦で脊髄に損傷を負った兵士の治療のためにスポーツを取り入れた人物です。

グットマン氏は当時から「将来的にこの大会が真の国際大会となり、障害を持った選手たちのためのオリンピックと同等な大会になるように」と展望を語っていました。その後、1960年のローマ大会でオリンピックと同じ開催国で行われるようになり、これが第1回目のパラリンピックと定められています。

 

どんな競技種目があるのか?

第1回ローマ大会の時点では8競技でしたが、今では夏季は22競技、冬季は6競技存在し、その中にはパラリンピック独自の競技もあります。

夏季(東京大会):
車いすテニス、車いすラグビー、車いすバスケットボール、車いすフェンシング、ゴールボール、ボッチャ、陸上競技、パワーリフティング、アーチェリー、ボート、セーリング、カヌー、射撃、自転車、競泳、馬術、卓球、ブラインドサッカー、トライアスロン、7人制サッカー、シッティングバレーボール、柔道

冬季(平昌大会):
アルペンスキー、バイアスロン、クロスカントリースキー、パラアイスホッケー、スノーボード、車いすカーリング

 

最近の日本のメダル獲得数

前回の2016年リオ大会では、金メダルは逃したものの、銀メダル10個(陸上競技、ボッチャ、自転車、柔道、水泳)、銅メダル14個(陸上競技、柔道、水泳、車いすラグビー、車いすテニス)を獲得しました。冬季の2014年ソチ大会では、金メダル2個(アルペンスキー)、銀メダル1個(アルペンスキー)、銅メダル2個(バイアスロン、アルペンスキー)という成績を残しています。

 

パラリンピックの参加資格は?

パラリンピックはすべての障害者が参加できるわけではなく、現在のところ、聴覚障害者・精神障害者は参加できません。
また各競技では、障害の段階による有利・不利を極力なくして公平に競技ができるように細かいルールが設けられている一方で、競技によっては障害の種類、程度によってクラス分けがされているものもあります。

第1回ローマ大会から昨年のリオ大会まで、参加国は18から159カ国に、参加人数は209人から4300人へと拡大。オリンピック参加者を上回る人数にまで成長しています。今後も広がっていくであろうパラリンピックをお見逃しなく!

(写真はイメージ)