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世界の肥満対策 シンガポールで世界初、甘味飲料の広告を全面禁止

世界の肥満対策 シンガポールで世界初、甘味飲料の広告を全面禁止

10日、シンガポール政府は砂糖の含有量が一定量を超える飲料水の広告を全面的に禁止する方針を発表した。シンガポールは18歳~69歳の国民のうち11%が糖尿病を抱えており、今回の決定はその対策のひとつ。具体的な実施内容は来年発表されるが、実現すれば世界初の試みとなる。シンガポール政府のこの取り組みは、消費者に知識を与え製造者には砂糖の含有量を減らすことを意図するもの。

米大手コンサルティング会社マッキンゼーが2014年に発表した肥満に関する調査レポートによると、世界の人口の30%が肥満に相当し、これにより発生している経済損失は2兆ドル(約236兆円)に上るという。これは戦争や喫煙によって生じる損失にほぼ匹敵する数字で、他国でもこういった状況を踏まえ、肥満対策としてさまざまな法律が定められている。
 

台湾 ジャンクフード税

台湾では国民の食生活の改善と肥満率の低下を目指し、2009年に世界で初めてジャンクフード税の導入を発表した。当時、子どもの25~30%が肥満であるとされ、このことによる国の保険制度への負担も懸念されていた。この特別税は、加糖飲料やファストフード、ケーキ、キャンディなどにかけられるようになった。
 

メキシコ 砂糖税

OECDの肥満ランキングでは米国に次いで2番目のメキシコ。肥満と糖尿病を減らすため、2014年から砂糖税を導入している。その結果、課税後、1年間のジュースの消費額は前年比で6%減少し、飲料水の売り上げは4%増加するなど、ジュース離れへの効果が表れている。砂糖税は英国、ノルウェーなど世界22カ国でも導入されている。

世界保健機関(WHO)によれば、世界全体で3人に1人は減量する必要があるという。肥満は糖尿病や心臓疾患を引き起こす原因にもあり、これにより社会的負担も増大する。健康リスクを軽減するための法律は今後も広がっていきそうだ。

(写真はイメージ)